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映画【密航者】考察と感想!4人の命か、3人の未来か。命の選択を迫られる

あなたはどんな選択をするのか?

 

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あらすじ

SFサスペンス。ミッションを遂行するため、宇宙船で火星へ向けて旅立った3人の宇宙飛行士。やがて船長が、二酸化炭素除去装置の中に意識を失った状態で閉じ込められていた男性を発見する。男性は離陸準備の作業を請け負っていたエンジニアで、作業中の事故で気絶したまま放置されてしまったようだ。引き返すこともできず、男性はそのまま同行することになるが、装置の故障により目的地までの酸素が足りないことが判明。彼らは思いがけず、究極の選択を迫られることになる。
密航者 : 作品情報 - 映画.com

 

見どころ1:映像よりもすごい人間模様。

この映画宇宙のお話なんですが見所は宇宙ではありません。 はっきりって宇宙の映像は後半までほぼ出てきません。 そしてもっとすごいのは登場人物は4人なのですが、 4人だけなのです。

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数少ない前半での宇宙のシーン


それ以上でも以下でもありません。 当然ですが宇宙船のお話なので途中で飛び入り参加とか不可能ですよね。笑
あらすじにもある通り物語は火星への移住を計画した人類が3人を送り込むと言うものです。 そこに紛れ込んでしまった作業員の1人がいることがわかり さて無事に火星にたどり着けるのかと言う事ですが火星までの道のりは約2年、そして 火星にたどり着くまでの備蓄された食料及び酸素の量は3人分です。 この3人、いや4人が選択せざるを得ない状況になるわけです。
4人でともに生き残る道を探すのかそれとも3人にするのかを。嫌な選択ですよね。まさに命の選択。 果たして4人で生き残る道が見つかるのか、それとも…。

友達と今日は何食べようでもすんなり決まらないのにここでは宇宙船でしかも命の選択を迫られている状況。 簡単に解決策が見つかることもなく、それぞれのエゴや責任を背負った思いがぶつかり合うわけです。 宇宙船での出来事と言えば少し遠いようなお話のように感じますし、 命の選択をする機会は、普段ではあまりないですが何かを選ばなくてはいけないことっていうのはありますよね。
 その時に最後の心の拠り所をどこに持っていくのかそういったものを考えさせられる映画です。

 

見どころ2:最後の20分は緊張の連続!宇宙の恐ろしさを感じる

そして最後の20分はまさに宇宙を感じられる演出になっています。 物語の詳細は伏せますが宇宙船の外に出てこの困難な状況を乗り越えようとするわけですが、 宇宙と言えば無空間、無音そして無重力。 そのどれもが見事に表現されており怒涛のように恐怖として襲ってきます。 宇宙では無重力なので放り出されたら自力で戻ってくる事は不可能なわけです。 なのに命綱なしで飛び出していくクルーを見ていると手に汗握らずには見ていられません。笑
これぞまさに宇宙。最後の20分は存分に宇宙空間を楽しんでいただけると思います。

 

考察1:諦めることと、諦めないことの重要さ

宇宙船の中にいる4人たちが命の危機にさらされるわけですがそこで最も重要になってくるのが酸素量。 それを確保するためのアイディアや方法をいろいろ考えるわけですがそのためにはリスクや犠牲を伴うわけです。

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搭乗員の命を預かる船長の選択はいかに


この映画では、クルーの1人の研究者が3年もかけて準備し、
 人類が火星移住できる研究のために乗り込んできており、自分の人生をかけてこの宇宙船に搭乗しているのだが、
仲間たちを守るためにはその研究を犠牲にして酸素量を確保するしかない。自分の夢を諦めて仲間の命を取るのか。でもここで重要なのが1人減れば、必要な酸素量が減り、夢を犠牲にしなくてもよい可能性があるということ。ここがこの映画を面白く、そして複雑にしていますよね。

そしてもう一つ、諦めないことの重要さ。
1人の命を犠牲にすれば少なくとも3人の命が助かる可能性は高くなるわけです。ですが一人のクルーが言います「諦めるのはまだ早い」と。諦める前にまだできることがあるし考える時間があると冷静にみんなに伝えて説得します。達成できなさそうなこともギリギリまで、限界まで挑戦するかしないかは、その後の結果に関わらず、自責の念に違いがでてくると言います。

映画では、生きることの大切さと、夢やお金などを犠牲にしても諦めずに守るべきものがある。そういうことをメッセージとして伝えているのではないでしょうか。

 

考察2:人の正義はそれぞれ。

夢を犠牲にしてでも生きることが大切であると言いましたが、研究者は仲間のことを考えての決断だったので、例えばこれが自分一人だったとしたら、命をかけてでも研究を続けるための方法を考えたかもしれません。または、仲間たちが「自分たちのことは気にせず、研究が達成されるようにしてほしい」と伝えてくるかもしれません。
何が正しくて、何が良くないのか。それは居合わせた本人たちにしかわかりませんが、自分の夢や目標も大切にしつつ、相手のことも配慮できる、理想かもしれませんがそう考えることができたら自分の人生が豊かになるように思います。

 

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映画の密航者に出てくるワンシーン